自動車会社部品サプライヤー

IoTの顧客事例を3社紹介します。
1社目は、自動車会社に対して、サプライヤーとして部品などを供給しているヨーロッパの会社です。すべての自動車にセンサーを装備しており、車は非常にデータ豊富なテレメトリーのような存在です。自動車会社はここで上がってくるデータをSpark、Hadoop、Splunk、あるいはカスタマーアプリケーションを使用し、テレメトリーデータを見ながら、知見を得て、自社活動に生かしています。

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図1 より良い車、より良い運転体験

その知見の一つは、実際に車の持ち主の方に対する保守の情報提供などで使われることもあります。この10年くらいの間に車を買った方は、自動車会社からEメールが飛んできて、どのくらい走ったら保守にした方がいいかという情報が来ることがあると思いますが、これはその方が買った時期から予測走行距離を基に送られてきます。しかし、実際の走行距離は車の持ち主によって異なります。その車をいつ購入したかという仮説に基づかないで、実際の走行距離を知ることができたらどうでしょうか。あるいは、実際にその保守の問題点を知れたらどうでしょうか。車が自分自身の状態を知り、通常あるようなエンジンのチェックなどのレベルではなくて、自分自身の通常の振る舞いを理解して、異常があったら車が認識できればどうでしょうか。

利用客に対して、このような知見情報を与えるのに加え、顧客がやりたかったことは製造業者の方に対して、同じタイプの車の中で見られるシステムの問題があった場合、それを早期に警告として挙げることです。毎年のように、自動車会社は訴訟やリコールが起きています。問題について認識するのに時間がかかればかかるほど、直すまでに時間がかかればかかるほど、自動車会社にはコストとなって跳ね返ってきます。

ECSが一つの基盤となり、車に対するインテリジェンス、あるいは分析能力を提供するものでした。その分析を使うことで、システムあるいは今後問題になりそうなところ、まさに問題の芽を見つけ、問題が実際に起こる前に予防的なアクションを取ることによって、大きな損失を生まないための基盤となりました。

生態系観測 モニタリング会社

2社目の顧客事例です。自然の生態系を観測するモニタリングの業態です。この顧客は、使用しているセンサーもセンサーのタイプも多種多様です。例えば、地面につけるセンサー、地震感知センサー、それから人工衛星までセンサーを付けて使用しています。80サイト以上からセンサーのデータを収集して、このデータを世界に散らばる研究者に対して提供し、彼らが応じた分析やクエリを実施し、知見を見出しています。よって、何万というサイトから異なる情報がきて、それを一元的な場所で効率よく収集し、それを世界各地で使えるようにしなければならない複雑な状況です。

この顧客の場合、従来のファイルシステムを使って、データを収集し、保存し、そしてアクセスをする中で、目標とする十分なアクセスを、十分な数の研究者にリアルタイムで提供し、意味のある知見を見出すことはできていませんでした。さまざまなサイトからデータを取り込み、置き場所を明確にして、保存を確認する一方で、そのデータにいつでもどこに研究者がいてもアクセスを担保できる状況にするというのは、簡単ではありませんでした。

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図2 全米生体観測ネットワークを復活させる

今回の事例では、研究者が仕事のほとんどの時間をデータのクリーニングやデータが置いてあるところから自分たちの環境に持ってくるために時間を費やし、持ってきたデータは、やっとその後でローカルで分析をする、という状態でした。

分析の原動力となる知見を見出す役割を担っている人たちが、運用や管理の部分に時間を費やしていることは、そこで使っているアーキテクチャ自体、ソリューション自体が間違っているという事です。そして費用と効率も非常に悪く、その結果として出てきた知見も果たして正しいものか疑いがあります。このような構造の環境のため、研究者は果たして実際にアクセスするべきすべての情報にアクセスしていたのか分かりません。また、アクセス性がよいという理由で、一部のデータセットだけを使って分析をし、結果を出した可能性もあります。その場合には、その結果は正しいのか、実際に求めていた粒度の結果が得られたかは不明です。

この顧客の場合、アクセス性を上げることで、研究者の人たちがもっと実際の研究活動に注力できる環境にし、管理コストが下がり、オポチュニティコストなども非常にいいものが出ました。研究者がデータのメンテナンスをするために時間を費やすのではなくて、自分たちの研究のために時間が使えるということで、SDSの力が、そのソリューションとなりさらに増加しました。