ビッグデータ利活用を支えるICT基盤の能力向上が課題に

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国立研究開発法人 情報通信研究機構
統合ビッグデータ研究センター
ビッグデータ利活用研究室 室長
ユニバーサルコミュニケーション研究所
情報利活用基盤総合研究室 上席研究員
是津 耕司 氏

情報通信分野を専門に手がける国内唯一の公的研究機関である情報通信研究機構(以下、NICT)。様々な先端技術の研究開発を統合的に展開すると同時に、大学や産業界、自治体、他の研究機関との連携も意欲的に推進している。
その同機構において、IoTやセンシングデータなどのビッグデータを社会課題の解決に活かす研究を進めているのが、統合ビッグデータ研究センター ビッグデータ利活用研究室だ。同研究室の室長を務める是津 耕司氏は「NICTが得意とするリモートセンシングデータや、交通・健康・SNSなどのソーシャルビッグデータを横断的に収集・分析し、様々な形で活用するためのICT基盤を構築することが我々のミッション。これを実現するために、センサーデータの解析技術やAI/機械学習技術、分析結果のビジュアライゼーション技術など、多岐にわたる先端技術を活用しています」と語る。

その具体的な研究テーマとしては、「ゲリラ豪雨対策支援システムの研究開発」「環境データとソーシャルビッグデータの横断的分析技術の研究開発」などが挙げられる。「たとえば、NICTが開発したフェーズドアレイ気象レーダなどの情報を用いてゲリラ豪雨の予兆を検知。これを交通関連データなどの情報と組み合わせて分析し、地図上にマッピングすることで安全な経路ナビゲーションを行うといった研究を行っています。また、同様のデータを用いて、自治体の防災・減災対策に活かすための実証実験なども行っています」と是津氏は語る。その他に、大気汚染などの環境データや疫学データなどを組み合わせて、人々の健康維持やヘルス・ツーリズムに役立てる研究なども行っているとのことだ。

こうしたビッグデータ利活用研究を下支えするICT基盤は「イベントデータウェアハウスシステム(EvWH)」と呼ばれているが、ここでは膨大なデータを短時間で処理できる高いパフォーマンスや柔軟なスケーラビリティが欠かせない。しかし従来の環境では、この点に不満を感じる場面も目に付くようになっていた。そこで今回、同研究室では、ICT基盤の能力をさらに引き上げる取り組みに着手した。