金融業界における、ビッグデータの重要な役割を理解するために、銀行業界におけるアーキテクチャの注力分野について紹介します。銀行業界が価値を見出し、且つビッグデータ活用により大きな価値を生み出すことができる五つの分野です。これから一つ一つを詳細に見ていきます。それぞれどのようなアーキテクチャを通じ、各分野に関連するようなビジネスの問題を各銀行がどのように解決してきたのでしょうか。
まずは、本記事では、まず第1回としてリテールバンキング領域、キャピタルマーケット領域についての活用例を紹介します。

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図1 Impact of Big Data in 5 major areas

リテールバンキング領域

一つ目はリテールバンキングの領域です。消費者に対し、口座の開設、融資、クレジットカード等を提供するのがリテールバンキングの領域です。
この領域ではいくつかの共通項がありますが、二つに注力して紹介します。最初に、顧客の期待管理です。多くの顧客は、ミレニアル世代の若者で、様々なデバイスを使い、銀行サービスを受けたいと考えています。従って、銀行は六つから七つのチャンネルを管理しなければなりません。支店、イーバンク、ソーシャルメディア、オンラインバンキングあるいは電話での口座の開設等の複数のチャンネルにまたがる体験を統一感のあるものにして顧客に提供しなければなりません。顧客がチャンネルをAからBに移行したとき、同じ内容を記入することや、同じ作業を繰り返すことがないようにしなければなりません。統一された顧客体験を実現するためには、より良い顧客視点をもつ必要があり、顧客の最初から最後までのいわゆるジャーニーの管理をしなればなりません。
二つ目は、ウィキデータのマーケティングにおける活用です。リテールバンクにおいては、一つの銀行で複数の口座を開設してもらい、顧客の価値を高めなければなりません。顧客の長きにわたるジャーニーを理解し、適切なタイミングで適切な商品を販売することが必要です。これまでのマーケティングは、一般的には、顧客の履歴から、履歴に基づいてメールを送って色々な商品のプロモーションをかけるやり方でした。今後は、ビッグデータを活用して、予測分析ができます。顧客をセグメント化し、セグメントごとに類似の顧客の購入動向を見て、適切なタイミングでプロモーションをかけていきます。このように高度化されたデータの分析、そこから得られた顧客に対する洞察をマーケティングに活用することで、売上の増加が見込めます。

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図2 Digital Retail banking

キャピタルマーケット領域

次の領域は、キャピタルマーケットです。株、コモディティ、FX等の複数のトレーディングデスクが存在している領域です。トレーディングデスク全てを鑑みたうえで、特定の顧客は今どういったリスクの状況にあるのかを理解するのが重要です。もう一つ、ビッグデータは、キャピタルマーケットにおいて非常に有効に使え、効力を発揮します。ここ数年、トレーディングビジネスはより電子化をしており、ITで構築されたアプリケーションの活用も非常に広範になり、データソースやデータセットから世の中の動向がよりよく理解できるようになりました。

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図3 Capital Markets